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この世の中には、様々な種類の痛み止めがあります。
その中には、なんと、うさぎからつくられる痛み止めもあります!
その薬の名前は、ノイロトロピンと言います。
ロキソニンやイブなどの痛み止めとは、違う種類の痛み止めで、作られ方や効くメカニズムも全く違うので、他の痛み止めであまり効果がない方が、ノイロトロピンを飲むとよく効くという場合もよくあります。
この記事では、つらい痛みに悩まされている方向けに、ノイロトロピンの作られ方、特徴、効く仕組みについて薬剤師ゆうが解説していきます。
うさぎからつくられる痛み止め
うさぎからつくられる痛み止めとして、ノイロトロピンという医薬品が知られています。
ノイロトロピンは処方薬のため、医師からの処方が必要ですが、ロキソニンなどの痛み止めで十分に取れない痛みに対して、鎮痛効果を発揮してくれることがあります。
では、ノイロトロピンはどのようにつくられるかみていきます。
まず、うさぎの皮膚に対し、ワクシニアウイルスというウイルスの一種を注射して、皮膚に炎症を起こさせます。
うさぎの皮膚に炎症が起こると、その部分が腫れて、水がたまります。
腫れた部分にたまった水を抽出し、薬にしたものがノイロトロピンです。
うさぎが痛みに耐えてくれたおかげでできた薬というわけですね。
ノイロトロピンの特徴
ノイロトロピンの特徴は、以下の2点です
- 錠剤と注射の2種類がある
- 腰痛、肩の痛み、神経痛などの治療に用いられる
ノイロトロピンには、錠剤と注射の2種類があります。
錠剤は、持ち運び可能で、自身で服用することができます。
注射は、即効性があり、投与後すぐに効果が出てきますが、医療機関で使用されることが原則です。
ノイロトロピンは、主に、腰痛、肩の痛み、神経痛などの治療に用いられます。
神経からくる痛みに対して、特に、効果が高いといわれています。
ノイロトロピンの痛みに効く仕組み
ノイロトロピンの痛みに効く仕組みについては、まだわからない部分も多いですが、いくつかの作用が知られています。
- 生体内に備わっている痛みを抑える神経の働きを高める
- 末梢の血流改善作用
- 痛みや炎症に関与するブラジキニンの遊離抑制作用
生体内には、下降性疼痛抑制神経という神経が存在します。
この神経は、脳に対して発せられる、痛みの刺激を和らげる働きをする神経です。
つまり、下降性疼痛抑制神経の働きが高まると、痛みを感じにくくなります。
ノイロトロピンは、この下降性疼痛抑制神経の働きを高めます。
末梢の血流が悪くなると、肩こりや腰の痛み、冷えなどの原因となってしまいます。
ノイロトロピンには、末梢の血流改善作用があるので、これらの症状を改善してくれます。
また、ノイロトロピンには、ブラジキニンの遊離抑制作用があります。
ブラジキニンとは、身体の中で痛みや炎症に関与する生体物質です。
ノイロトロピンには、このブラジキニンが細胞から放出されるのを抑える作用があるので、ブラジキニンが痛みを身体に伝えることを防ぎます。