我が家に元気な男の子が産まれてきてくれて4ヶ月がたちました。
病院での検査の結果、先生からは高度難聴であるとの診断。
まだ我が子が難聴であるということを受け入れられていません。
それでも自分自身が前を向いて行動していくためにブログを書いていくことを決めました。
この記事は、「子どもの難聴を受け入れて、前に進むために①」の続きです。
ASSRとCORの検査
はるぴーの聴力レベルをより詳しく検査するために、ASSR(聴性定常反応検査)とCOR(条件詮索反応聴力検査)をしてもらいました。
ASSR(聴性定常反応検査)とは、色々な音の高さや音量で聴力レベルを測定できる検査方法で、ABR(聴性脳幹反応)よりもより詳細に聴力検査ができます。
COR(条件詮索反応聴力検査)は、簡単にいうと音がした方を乳児が見るかどうかで聴力レベルを判断する検査方法です。
はるぴーのASSRの結果は、どの高さの音も100dbでようやく反応がある程度で、全く反応のない音の高さもありました。
CORの結果は、平均で90db程度の聴力レベルとの結果でした。
CORは、首がすわってからでないと、正確な測定が難しいらしく参考程度だといわれました。
はるぴーはCORの検査中、気分が悪くなるほどうるさい部屋の中でも嫌がらず平気な顔をしていました。
検査後、先生からは、人工内耳という選択も視野に入るため、別の病院を紹介するといわれ、1週間後に新しい病院に受診することになりました。
何もしなくても自然に聞こえるようになってほしいという気持ちはもちろんありますが、はやくはるぴーに音を聞かせてあげたいという気持ちも強くなりました。
音が聞こえるようになる見込みがなければ、できるだけはやく人工内耳をつけてあげたいと思います。
人工内耳手術の実績のある病院への紹介
まだ人工内耳手術をすると決まったわけではなく、これからさらに色々な検査をしてはるぴーの耳の状態を調べていく段階です。
今回は、言語聴覚士の先生がはるぴーの死角から太鼓を叩いて、大きい音に反応するか見てもらいました。
太鼓の音がどんなに大きくてもはるぴーは嫌がらず、妻は自分の子どもがかなりの難聴であるということを実感したようです。
先生からは高度難聴でほぼ間違いないといわれました。
OAEに一部反応があったためオーディトリーニューロパチーを併発している可能性もあります。
言語聴覚士の先生には、たとえ耳が聞こえていなくても、積極的に話しかけてはるぴーとの信頼関係を築くことが、今後の言語獲得に大きく影響すると言われました。
高度難聴といわれた後でも、それまでのように私たち夫婦は継続してはるぴーに積極的に話しかけています。
ただし、できるだけよく表情や口元が見えるように正面から話しかけることを意識しています。
聴覚支援学校と補聴器専門店への紹介もこの日にしていただきました。
耳のことを相談できる環境が増えたこと、色んな方々の支援を受けることができるということに少し安心感をおぼえました。
はるぴーのためにしなければいけないことは耳のことはもちろんそれ以外にもたくさんあります。
聴覚支援学校に相談にいくために電話で予約した際に、妻は聴覚支援学校の方にそう言われ、その事実を再認識させられたようです。
前を向いて、すべきことをどんどんしていかなければならないのです。
補聴器専門店へ行く
病院で言語聴覚士の先生にはるぴーの耳の型をとってもらい、補聴器専門店でイヤーモールドをつくってもらうことになりました。
イヤーモールドとは、耳の形にあわせたオーダーメイドの耳せんのことで、補聴器が耳から外れるのを防ぐはたらきやハウリングを防ぐはたらきをするものだそうです。
補聴器専門店に行ったのは土曜日の午前中でした。
想像に反し、補聴器専門店はとても混み合っており多くの方が耳のことで悩んでいることを認識させられました。
赤ちゃんははるぴーだけでしたが。
イヤーモールドは、10日前後でできることが多いそうです。
出来上がったら直接聴覚支援学校に送ってくれるらしくありがたいなと思いました。
補聴器専門店の待合室にはテレビが設置されていました。
生放送の番組で、聴覚障害者用の字幕が流れていましたが、アナウンサーが喋ったものが実際に字幕として流れるまでのタイムラグが大きく驚きました。
生放送でなければタイムラグはあまりないのかもしれません。
目立たない補聴器も多いとはいえ、今まで補聴器や人工内耳をつけている子どもや高齢者の方をみた経験が自分にはほとんどなく、健聴者から気づかれにくい障害であると考えさせられる日でもありました。
難聴児が健聴児と幼稚園や学校など同じ環境で過ごす場合、自分の障害のことをわかってもらう努力を親や本人が十分にしなければいけないなと思いました。
耳のことで馬鹿にしてくる子もいるかもしれませんが、ちゃんと周りに障害のことを伝えることで理解してくれる、しようとしてくれる良き仲間にはるぴーはきっと出会えるはずです。
健聴者は、難聴者が思っているほどその人が難聴であるということを意識していない人がほとんどだと思います。
難聴であることを隠したり、恥ずかしがったりする必要はあまりなく、むしろ聞こえないことをわかってもらえない弊害のほうが大きいと個人的に思います。
次回の大病院での検査予定項目
次の一ヶ月後の病院では、CT(コンピュータ断層撮影)による画像検査と遺伝子検査の予定です。
CTでは、内耳に奇形がないかどうか、蝸牛神経に異常がないか、人工内耳を埋め込むスペースがあるのかなどをおそらく調べてもらうことになると思います。
オーディトリー・ニューロパチー(Auditory Neuropathy)の場合、論文によると約20%の割合で蝸牛神経低形成(CND)が併発しているようです。
蝸牛神経とは聴覚を司る神経で、その形成が不十分の場合、人工内耳の効果がそれ以外の難聴の方と比べて落ちてしまうようです。
はるぴーがCNDを併発していないことを祈っています。
また、内耳に奇形があると人工内耳の効果が落ちることやそもそもつけれないこともあるようなので内耳に奇形がないことを祈ります。
オーディトリー・ニューロパチーは、補聴器の効果は限定的なことが多い反面、人工内耳での良好な効果が約75%でみられます。
もしはるぴーが人工内耳をつけることになったら、良好な効果がでてほしいなと思います。
また、遺伝子検査もお願いすることにしました。
オーディトリー・ニューロパチーの原因遺伝子で最も頻度が高いものに、OTOF遺伝子というものがあり、この遺伝子の変異が見つかった場合、人工内耳の効果が高いことがわかっています。
そのため、遺伝子検査をすることが安心材料の一つになると考えました。
珍しい遺伝子でなければ、1ヶ月程度で遺伝子検査の結果は出ることが多いそうです。
はるぴーがどうして高度難聴なのか原因はまだわからないですが、検査により原因がわかることで、より前に進めるような気がします。
大病院の受診の前に聴覚支援学校の先生とはるぴーの耳のことを相談する機会があるので、色々話をきかせてもらおうと思います。
心配なことや不安なことで心が押しつぶされそうな日々ですが、我々夫婦やはるぴーが様々な方々から支援いただいたことを思い返すと、それらの感情も和らぎます。
これからも様々なサポートを受けさせていただくことになると思います。
ほんとうにありがたいです。
はるぴーの未来が明るくありますように。