「ロキソニンを使ったことはあるけど、どうやって体の中で効いているかは知らない」
ロキソニンが体の中でどのようなメカニズムで効果を発揮しているか、考えたことがある人は少ないのではないでしょうか?
メカニズムが分かれば、ロキソニンがどのような症状に効くのか、どういった副作用に気を付けなければいけないのか自然と理解できるようになると思います!
この記事では、ロキソニンが効くメカニズムに興味がある方向けに、ロキソニンが体の中でどのような働きをしているかを薬剤師ゆうが解説していきます。
ロキソニン(ロキソプロフェンNa)とは?
ロキソニンは、熱を冷まし、痛みを鎮める効果のある薬、つまり、解熱鎮痛剤です。
ロキソニンは、第一三共により発売されている医療用医薬品で、有効成分としてロキソプロフェンNaを含みます。
市販薬にロキソニンSという商品がありますが、これはロキソニンと同じ有効成分を含みます。
つまり、ロキソニンの市販薬バージョンがロキソニンSです。
ロキソニンの効果として、解熱・鎮痛作用があります。
熱を冷ます効果、痛みを鎮める効果があるということですね。
注意しなければいけない点として、
- 胃に負担をかけることがある
- 腎臓に負担をかけることがある
といったものがあります。
ロキソニンが効くメカニズム
ロキソニンはどのようなメカニズムで解熱・鎮痛作用を発揮するのでしょうか?
それを知るためには、ある生体物質の存在と働きを知っておく必要があります。
そのある生体物質とは、プロスタグランジンです。
プロスタグランジンには主に3つの作用があります。
- 熱を出したり痛みを感じさせやすくさせる作用
- 胃の粘膜を保護したり胃液の分泌を抑える作用
- 血管を広げる作用
プロスタグランジンは、風邪をひいたり、ケガをしたり体に炎症が起きたときに、体の中で作られる量が増えます。
その結果、熱を出したり痛みを感じさせやすくする作用が強くなり、発熱や頭痛などといった症状が体に現れてきます。
ロキソニンの働きは、このプロスタグランジンの体の中で作られる量を減らすことです。
つまり、プロスタグランジンによって体の中で起こる作用とは逆のことが、体の中で起こるようにする薬がロキソニンです。
具体的にみていくと
- 熱を下げたり痛みを感じさせにくくさせる作用
- 胃の粘膜の保護を薄れさせたり胃液の分泌を増やす作用
- 血管を狭める作用
上記の作用をロキソニンは引き起こします。
ロキソニンは基本的に熱が出たり痛みを感じているときに服用する薬のため、
熱を下げたり痛みを感じさせにくくさせる作用を期待して使われることが多いです。
ロキソニンの注意点
ロキソニンを服用する際に注意すべきな点は、
胃や腎臓に負担をかけることがあるという点です。
ロキソニンを服用すると、熱を下げたり痛みを感じさせにくくさせる作用だけてなく、
- 胃の粘膜の保護を薄れさせたり胃液の分泌を増やす作用
- 血管を狭める作用
これらが同時に出てくることを理解しておく必要があります。
上記の作用により、
ロキソニンを長期間服用し続けると、胃の粘膜の保護が薄れ、胃が荒れやすい状態となります。
胃液の分泌も増えてしまうので、ロキソニンを服用すると、胃に負担をかけやすくなってしまいます。
また、腎臓は多くの血液が必要な臓器の一つなので、ロキソニンによる血管を狭める作用により、普段より腎臓に流れる血液の量が少なくなり腎臓に負担がかかることになります。
炎症を起こしている場所は血管が広がって赤く腫れてみえることがほとんどなので、ロキソニンには、血管の広がりをおさえることで炎症を抑える作用もあります。
まとめ
- プロスタグランジンには、主に発熱・疼痛作用、胃保護作用、血管拡張作用の3つの作用がある
- 体に炎症が起きたときには作られるプロスタグランジンの量が増える
- プロスタグランジンの作られる量を減らすのがロキソニンである