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今さら聞けないジェネリックと先発品の違い

ジェネリック先発品3つの違い

薬局で薬をもらうときに、ジェネリック医薬品をおすすめされたことはありませんか?

ジェネリック医薬品と先発品(先発医薬品)には、主に3つの違いがあります。

実際に、ジェネリック医薬品を服用されている方も多くいらっしゃると思います。

ただ、ジェネリック医薬品と先発品の違いをしっかり自信を持って言える方は少ないのではないでしょうか?

この記事では、ジェネリック医薬品のことがなんとなくしかわからない方向けに、ジェネリック医薬品と先発品の3つの違いについて薬剤師ゆうが解説していきます。

ジェネリック医薬品とは

ジェネリック医薬品とは、先発品と同じ有効成分を使っており、品質、効き目、安全性が同等な医薬品のことを言います。

厚生労働大臣の承認を受け、国の基準、法律に基づいて製造・販売されています。

ジェネリック医薬品は、先発品の特許が切れた後に、元々先発品を製造していたメーカーとは異なるメーカーにより作られたものです。

そのため、先発品と比べ、開発費用を少なく抑えられます

先発品の開発費用には数百億円以上かかることが一般的で、ジェネリック医薬品の開発費用は一億円程度に収まることが多く、その費用の差が価格の差に直結しています。

また、複数のジェネリック医薬品メーカーが存在し、同じ有効成分の薬でも、メーカーによって見た目や味などに飲みやすくなるような工夫がなされている場合があります。

例えば、小児用の粉薬が先発品と比べ、甘くて飲みやすくなっていたり、錠剤の大きさが小さくなったり、薬のシートをみるだけで何の種類の薬かがわかるようになっていたりといった工夫がされています。

ジェネリック医薬品が先発品と違う部分

ジェネリック医薬品が先発品と違う部分は以下の3点です。

  • 価格
  • 名前
  • 添加物

薬を服用したときに得られる効能・効果は、先発品もジェネリック医薬品も同等ですが、上記の3つの違いについては、理解しておいたほうがよいです。

価格

先発品と比べ、ジェネリック医薬品は約3~6割、価格が安くなります。

そのため、服用中の薬をジェネリック医薬品にかえることで、薬局での窓口の会計が安くなります。

薬局で薬をもらう際の会計は、薬代のほかに、薬剤師による医薬品の情報提供料や技術料などが含まれます。そのため、今まで服用していた薬をジェネリック医薬品に変更したからといって窓口での会計がまるまる3~6割安くなるわけではないです。

価格が安くなる理由として、以下の2点があげられます。

  • すでに安全性・有効性が確認された有効成分を使用しているため、短い期間での開発が可能
  • 先発品で使用方法や安全性が認知されているため、情報提供費用を最小限にできる

先発品の開発には、9年~17年の歳月が必要で、その間に開発費用として数百億円ものお金がかかってしまいます。

それに対し、ジェネリック医薬品の場合、すでに安全性・有効性が確認された有効成分を使って開発がされているため、3~4年ほどで開発でき、開発費用も一億円程度で済むことが多いようです。

また、新しく出た薬というのは、その薬についての情報提供や、市販後の調査に費用がかかってしまいます。

ジェネリック医薬品は、すでに使用経験があり、よく知られている有効成分を使っているため、情報提供費用を抑えることができます

名前

ジェネリック医薬品は、一定のルールに則って名前が付けられています

そのため、ルールを知ることで、名前をみるだけでその薬がジェネリック医薬品か先発品かわかるようになります。

名前のルール

ジェネリック医薬品は、下記のルールに則って名前が作られています。

有効成分名 + 剤形 + 含量 + 「会社名(屋号)」

例えば、ジェネリック医薬品に
ロキソプロフェン錠60mg「EMEC」
という薬があります。

この薬でいうと、

有効成分名 → ロキソプロフェン
剤形 → 錠
含量 → 60mg
「会社名(屋号)」 → 「EMEC」

となります。

添加物

ジェネリック医薬品は先発品と添加物が異なります。

添加物が変わることで、先発品と比較して、形や大きさ、味や香りが変わる場合があります。

添加物が変わることで、錠剤の大きさが小さくなり飲みやすくなったり、錠剤や粉薬などの苦みが軽減されて飲みやすくなったりしているジェネリック医薬品も多く存在します。

オーソライズドジェネリックの存在

ジェネリック医薬品は先発品と有効成分が同じでも、添加物は異なります

一定数、添加物が異なることが気がかりな方やジェネリック医薬品の添加物が体に合わなかった方もいらっしゃいます。

そんな方向けに、有効成分だけでなく、添加物も同じジェネリック医薬品が存在します。

それが、オーソライズドジェネリックです。

オーソライズドジェネリックとは、先発メーカーから許諾を得て製造した、有効成分、添加物、製法等が先発品と同一のジェネリックです。

つまり、先発メーカーから、先発品と同じ製法で、ジェネリック医薬品を作ってもいいですよと認められて作られたジェネリックです。

もちろん先発品と比べ、値段は安くなります。

現在服用中のジェネリックをオーソライズドジェネリックに変更できるか、一度薬をもらっている薬局に聞いてみるのもいいかもしれませんね。

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ゆう

薬に含まれる有効成分オタクで、どのようなメカニズムで薬が効果を示すか勉強することが好きです。 2016年薬学部卒業後、調剤併設型ドラッグストアで薬剤師として勤務しています。 薬を使う必要性や注意事項など、わかりやく紹介していきます。

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