ドラッグストアで市販の解熱鎮痛薬を購入するときに、どれがよいか迷った経験はありませんか？
解熱鎮痛薬の中でも、人気の商品にロキソニンＳとイブＡ錠があります。
どちらも痛みや熱に対して優れた効果を示しますが、ロキソニンＳとイブＡ錠には違う部分もあります。
この記事では、市販の解熱鎮痛薬を買うときに、どれがよいかわからないという方向けに、解熱鎮痛薬で人気の市販薬であるロキソニンＳとイブＡ錠の効き目、効く速さ、副作用の出やすさ、購入のしやすさについて薬剤師ゆうが解説していきます。
ちなみに、薬剤師ゆうのおすすめは、ロキソニンＳです。
ロキソニンＳとイブＡ錠どちらがよく効くか
両者を比較して効きがいいのは、ロキソニンＳです。
ロキソニンＳには、解熱鎮痛作用を示す有効成分として、以下の成分が含まれています。
- ロキソプロフェンナトリウム
有効成分ロキソプロフェンナトリウムは、市販の解熱鎮痛薬の中で、痛みを抑える効果、熱を下げる効果が最も高い有効成分と言われています。
ロキソニンＳは、市販薬で最も効果の高い有効成分が入っているため、イブＡ錠よりもよく効きます。
イブA錠には、解熱鎮痛作用を示す有効成分として、以下の成分が含まれています。
- イブプロフェン
有効成分イブプロフェンも、熱や痛みに対して優れた効果を示しますが、有効成分ロキソプロフェンナトリウムと比べるとその効果はやや劣ります。
ちなみに、イブＡ錠には、解熱鎮痛効果を持つ有効成分イブプロフェンに加え、イブプロフェンの効きを高める鎮痛補助成分が以下の２種類配合されています。
- アリルイソプロピルアセチル尿素
- 無水カフェイン
アリルイソプロピルアセチル尿素は、鎮静成分に分類され、神経の興奮や緊張を鎮めることで、鎮痛薬の痛みを抑えるはたらきを助けます。
無水カフェインは、血管の広がりを抑えることで、鎮痛薬の痛みを抑えるはたらきを助けます。
頭痛などの痛みを感じる原因のひとつに、血管の拡張が知られています。無水カフェインの摂取や患部を冷やす行為などにより、血管の広がりを抑えることで、痛みがマシになる場合があります。
ちなみに、市販薬で最も効果の高い解熱鎮痛薬として、ロキソニンSプレミアムが知られています。
ロキソニンＳプレミアムには以下の成分が含まれています。
- ロキソプロフェンナトリウム
- アリルイソプロピルアセチル尿素
- 無水カフェイン
- メタケイ酸アルミン酸マグネシウム
解熱鎮痛成分として市販薬で最強のロキソプロフェンナトリウムに加え、そのロキソプロフェンナトリウムの効きを高める鎮痛補助成分として、アリルイソプロピルアセチル尿素と無水カフェインが配合されています。
さらに、胃への負担を軽減し、ロキソプロフェンナトリウムの吸収速度をはやめる有効成分である、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムも配合されています。
まさに、プレミアムの名にふさわしい、手あつい処方の商品ですね。
ロキソニンＳとイブＡ錠どちらがはやく効き始めるか
両者を比較したとき、はやく効きはじめるのは、ロキソニンＳです。
ロキソニンＳは、服用して約３０分から１時間で効果がではじめます。
それに対して、イブA錠は服用して１時間から２時間で効果がではじめます。
早く痛みを抑えたい方には、ロキソニンＳがおすすめです。
ロキソニンＳは、イブＡ錠と比較して、おおよそ半分の時間で効果を実感できます。
ちなみに、さらに効きの速さを求める人向けには、服用後、錠剤が早く溶ける「クイックブレイク製法」が採用されているロキソニンＳクイックという商品があります。
ロキソニンＳクイックには以下の成分が含まれています。
- ロキソプロフェンナトリウム
- メタケイ酸アルミン酸マグネシウム
メタケイ酸アルミン酸マグネシウムは、ロキソプロフェンナトリウムによる胃の負担を軽減し、同時にロキソプロフェンナトリウムが吸収される速度をはやめます。
ロキソニンＳクイックは、「クイックブレイク製法」により錠剤が速やかに崩壊し、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムにより吸収される速度がはやめられるため、通常のロキソニンＳと比べて、さらにはやく効果を実感することができます。
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ロキソニンＳとイブＡ錠どちらが胃に負担をかけにくいか
両者を比較したとき、胃に負担をかけにくいのは、ロキソニンＳです。
解熱鎮痛薬は、痛みや熱の原因物質であるプロスタグランジンという生体物質の身体で作られる量を減らすことで、解熱鎮痛作用を示します。
プロスタグランジンは、痛みを感じさせやすくする作用や熱を出す作用を示すため、このプロスタグランジンの身体の中の量を減らすことで、痛みや熱を抑えることができます。
しかし、プロスタグランジンには、胃の粘膜を保護する作用や胃の血流を良くする作用など胃を守る作用があります。
身体の中のプロスタグランジンの量が減ってしまうと、この胃を守る作用が弱まってしまいます。
結果として、胃は荒れやすくなってしまいます。
これが、解熱鎮痛薬を服用したときに、胃に負担をかけてしまう原因です。
そのため、胃に負担をかけないためには、薬を飲んでから、吸収されるまでの間、つまり胃の中に薬がある段階では、解熱鎮痛作用（プロスタグランジンの量を減らす作用）を示さないことが理想的です。
ロキソニンは、胃にある段階では、解熱鎮痛作用を示しません。
消化が進み、胃や腸から体内に吸収され、肝臓で代謝を受けて初めて、薬としての作用を発揮します。
胃にある段階では、効果を示さず、肝臓で代謝を受けた後に効果を発揮する薬のことをプロドラッグといいます。
イブＡ錠の有効成分は、プロドラッグではないため、ロキソニンＳと比べると、胃に負担をかけてしまいます。
ロキソニンＳとイブＡ錠どちらが眠くならないか
両者を比較して、眠くならないのは、ロキソニンＳです。
ロキソニンＳには眠くなる成分が含まれていません。
解熱鎮痛成分のロキソプロフェンナトリウム、イブプロフェンはどちらも眠くなるような作用は示しません。
ただし、イブA錠には鎮痛補助成分としてアリルイソプロピルアセチル尿素が配合されています。
アリルイソプロピルアセチル尿素は、鎮静成分と言われ、興奮や緊張を抑える効果がありますが、眠気を引き起こすことがあります。
ロキソニンＳとイブＡ錠どちらが簡単に購入しやすいか
両者を比較して、簡単に購入しやすいのは、イブA錠です。
イブA錠は、第二類医薬品に分類され、薬剤師がいなくてもドラッグストアなどで購入できます。
２４錠、３６錠、４８錠、６０錠入りのパッケージがあり、錠数にも選択肢があります。
服用回数は１回２錠です。
ちなみに、値段もロキソニンＳと比べ割安です。
対して、ロキソニンＳは、第１類医薬品に分類されます。
第１類医薬品は、薬剤師から説明をきいた後でないと購入できません。
ロキソニンＳは、錠数も１２錠入りしか選択肢がありません。
服用回数は１回１錠です。
今回の記事のまとめ
- 解熱鎮痛薬としての効果が高いのは、ロキソニンSで、さらに効果を求める人にはロキソニンSプレミアムがオススメである。
- 効き目を早く実感できるのはロキソニンSの方で、さらに速く効いて欲しい人にはロキソニンSクイックがオススメである。
- ロキソニンは胃や腸から吸収された後、肝臓で代謝されて初めて作用を発揮するため胃に負担をかけにくい。
- ロキソニンSは眠くなる成分を含まない。
- ロキソニンSは第1類医薬品に分類され、薬剤師から説明を聞いた後でないと購入できない。
今回の記事が皆さんの商品選択の参考になれば幸いです。
