難聴児子育て

音入れ

今日、はるぴーは人工内耳手術を終え、体調も回復してくたため、退院しました。

はるぴーのかかっている病院では、退院当日に音入れをします。

今回は、はるぴーの音入れの様子についてブログにまとめようと思います。

音入れ

人工内耳は、手術で体内に埋め込むインプラントと、体外につけて外からの音を拾いインプラントに伝えるプロセッサーからなる機器です。

手術を受けた時からすぐ聞こえるようになるというわけではなく、手術から数日~数週間後に、人工内耳のプロセッサーを介して音を聞く、音入れという作業を行って初めて音が聞こえるようになります。

病院によって、退院してから1週間後に音入れをするところと、退院日に音入れをするところがあります。

はるぴーのかかっている病院は後者で、退院日の今日、音入れを行いました。

音入れの際は、言語聴覚士の先生が、はるぴーの耳につけたプロセッサーと専用のパソコンをつなぎ、適切に音が聞こえるように調節してくれました。

まずは右耳用のプロセッサーから調節をしてくれました。

部屋に用意されたおもちゃで夢中になって遊んでいるはるぴーに、先生がパソコンを操作して、音を入れはじめると、はるぴーは手を止め、顔つきも急に変わりました。

目を見開いて、びっくりしたような表情をし、そして泣いてしまいました。

はるぴーが補聴器をつけていたときには、見られなかった明確な音への反応でした。

今までこれほどはっきりとした音への反応を見たことがなかったので、とても感動しました

その後、太鼓の音や金属をたたく音など、ある程度大きい音を聞かせ、プロセッサーをつけてもはるぴーが泣かない程度の聞こえの大きさに音の大きさを調節してもらいました。

先生から、人工内耳装用後の最初の目標は、「まずは長時間人工内耳をつけれるようになること」と言われました。

最初から人工内耳プロセッサーの音の出力が大きすぎると、音を聞くことに対し、怖い・不安といったネガティブな感情を持ってしまい、装用することを嫌がる子どもが多いそうです。

続いて今度は右耳用と同様に、左耳用のプロセッサーの調整をしてもらいました。

左耳の調節の際も、はるぴーがおもちゃで遊んでいるときに音を聞かすと、目を開いて顔を上げ、明確に音への反応を見せてくれたので安心しました。

人工内耳プロセッサーからの音の聞こえ方を調節し、はるぴーにとって適切な聞こえ方に調節する作業のことをマッピングといいます。

このマッピングが完成したものをマップとよび、人それぞれ違い、同じ人でも右耳と左耳でマップが異なってきます。

はるぴーのマップも右耳と左耳で異なるため、先生が間違いを防ぐために、人工内耳プロセッサーに色のついたシールを貼ってくれました。

ちなみにはるぴーの場合は、右耳が赤で、左耳が青です。

万一、右耳用のプロセッサーを左耳につけたり、左耳用のプロセッサーを右耳につけたりして間違えた場合は、音が出力されないようになっているようです。

プロセッサーの装着方法は、いろいろ方法があるようなのですが、コアラクリップという服などにプロセッサーをクリップで止めて固定できるものを利用して、両肩にプロセッサーを固定して使うこととしました。

片耳だけプロセッサーをつける場合と比べ、両耳にプロセッサーをつけるほうがプロセッサーの出力が同じでも多少大きく聞こえるようです。

先生からは、人工内耳をつけて3カ月くらいしたら、名前を呼んだ時に振り向いてくれるようになると言われ、はるぴーが振り向く姿を想像するととてもうれしい気持ちになりました。

退院後の様子

病院で音入れをしてから、はるぴーは人工内耳プロセッサーをつけた状態でそのまま家に帰りました。

帰り道の車の中も、高速道路を走る音やトンネル内を走行する際の音などそれなりにうるさいシチュエーションもありましたが、人工内耳をずっとつけることができました。

むしろ車の中で途中からはるぴーは眠りについたので、疲れていた影響もあるとは思いますが、車内で眠れるくらい人工内耳の出力が小さめに抑えられていることを再認識させられました。

まだインプラントの磁石部分がどこにあるか手探りなのと、磁石の強さが弱いことなどのせいだと思いますが、思ったより多くプロセッサーの磁石部分が外れてしまうことが気になります。

また、補聴器の場合、外れたらハウリングするのですぐわかるのですが、人工内耳の場合、外れても音がしないので、プロセッサーをよく見ておかないと外れたことすら気づかないので気をつけないといけないと思いました。

ちなみに、プロセッサーが正常にインプラントに音を送れているときはランプが緑色に点滅し、そうでないときはオレンジ色に光ります。

家に帰ると、お昼ごろになったので、はるぴーに離乳食を上げたら、すごい勢いで食べてびっくりしました。

お口もより大きく開けられるようになって、耳以外の成長も感じることができました。

車の中で寝たおかげで、離乳食を食べた後もはるぴーはとっても元気だったので、プレイマットをひき、いっしょに遊びました。

叔母さんからもらった木琴が家の中にあり、たぶん反応しないだろうなと思いつつも叩いてみました。

別のおもちゃに夢中になっていた時に、死角から叩いてみたのですが、なんと手を止めて木琴のほうを見てくれました。

音入れしてすぐは、あんまり音に対する明確な反応がみられない子が多いと聞いていたので、まさか反応するとは思っておらず、とてもびっくりしました。

何より驚いたのは、木琴を叩いていると、音に向かって勢いよく近づき、木琴を裏返したり、バチを触って叩く様なそぶりをみせたりしたことです。

補聴器をつけていた時にはなかった反応でとてもびっくりしました。

音って赤ちゃんにとって身体を動かすとても大きな原動力になるんだと思い知らされた日になりました。

ちなみに、その後絵本を読んであげたり、いろいろ話しかけたりしましたが、それに対しては明確な反応はありませんでした。

まぁ木琴ほどの音量ではるぴーに話しかけているわけではないので、仕方ないと思います。

先生が音の聞こえ方の異なる4つのマップを用意してくださりました。

最初は、一番小さい音の聞こえ方がするマップにして、2日ごとにもう一段大きい音の聞こえ方がするマップにして最終的には一番大きい音の聞こえ方がするマップにするように言われました。

マップを変えて、プロセッサーの出力が上がった時に、もしかしたら声かけに反応するかもしれないと少しわくわくしています。

はるぴーにとって、今日はとても大きな1日となりました。

今日は、はるぴーにとってお耳の誕生日です!

入院生活と今日の音入れお疲れ様でした、はるぴー。

よく頑張りました!

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ゆう

薬に含まれる有効成分オタクで、どのようなメカニズムで薬が効果を示すか勉強することが好きです。 2016年薬学部卒業後、調剤併設型ドラッグストアで薬剤師として勤務しています。 薬を使う必要性や注意事項など、わかりやく紹介していきます。

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